執筆日:2026年2月10日
対象銘柄:INPEX(1605)
現在株価:3,665円
2026年2月12日、INPEXの運命を分ける本決算発表が迫っています。
株価は3,600円台の高値圏。このタイミングで「決算またぎ」をすべきか、あるいは利益確定すべきか。多くの投資家が迷うこの局面で、私の結論と戦略を共有します。
Executive Summary(結論)
結論から述べます。INPEXは、「中長期(1年以上)の保有を前提とするなら、決算発表前であっても『買い(Accumulate)』」と判断します。
株価は上昇しましたが、PBR 0.91倍という現状は、東証および市場からの「資本効率改善(=さらなる株主還元)」への圧力が依然として強いことを意味します。2月12日の決算発表で一時的なボラティリティ(価格変動)が発生するリスクはありますが、株主還元強化という大きなトレンドは崩れていません。
ただし、短期的な値幅取りを狙う場合は「Hold(様子見)」を推奨します。理由は後述する「ガイダンスリスク」があるためです。
現状分析:なぜINPEXはこれほど買われているのか?
2026年2月10日現在、INPEXの株価は3,665円で推移しており、投資家の注目を集めています。その背景には3つの構造的な要因があります。
- 「PBR1倍」への未達:
株価は上昇しましたが、BPS(1株あたり純資産)も積み上がっており、PBRはいまだ0.91倍です。PBR1倍回復に向けた経営陣のコミットメント(自社株買いや増配)が続くという期待が、下値を強力に支えています。 - エネルギー価格の底堅さ:
地政学リスクの継続により、原油・ガス価格が高止まりしており、キャッシュフローが潤沢です。 - 円安の恩恵:
為替が円安基調で推移していることは、外貨で稼ぐINPEXにとって直接的な増益要因となります。
徹底分析:INPEXの投資判断におけるQ&A
Q. 2月12日の決算発表で「悪材料」が出るリスクは?
A. あります。特に「来期ガイダンス(業績予想)」の慎重化リスクです。
INPEX経営陣は伝統的に、期初の業績予想を保守的(慎重)に出す傾向があります。
- リスクシナリオ: 市場の期待値(コンセンサス)を下回る来期予想を発表した場合、アルゴリズム取引による短期的な急落(-5%〜-8%程度)が発生する可能性があります。
- 投資家の対応: この急落は、ファンダメンタルズの毀損ではなく「ガイダンスの癖」によるものであるため、長期投資家にとっては絶好の押し目買いの機会となります。
Q. 配当利回り約2.7%は投資妙味があるか?
A. 表面利回りは平凡ですが、「総還元利回り」で見れば魅力的です。
単なる配当利回り(約2.7%)だけ見れば、高配当株としての魅力は薄れています。しかし、INPEXの真骨頂は「配当+自社株買い」のセットです。
直近(2026年1月終了)の自社株買いに続き、今回の決算でも新たな自社株買い枠が設定される可能性が高く、実質的な株主利回りは4〜5%級を維持できると推測されます。
Q. どのような投資家がINPEXを買うべきか?
A. 「インフレヘッジ」と「堅実な還元」を求める層です。
ここで混同してはならないのが、INPEXは「商社(三菱商事など)」とは異なる純粋なE&P(探鉱・開発・生産)企業であるという点です。事業ポートフォリオが分散された商社株に比べ、原油価格変動への感応度(ベータ値)が高くなります。
よって、ポートフォリオ全体のリスク分散として「エネルギーセクター(資源)」を組み入れたい投資家に適しています。
結論(The Answer):条件付きBuy
私の投資判断は以下の通りです。
判定:Buy(条件付き)
条件(Prerequisites)
この判断は、以下の条件が満たされる場合に有効です。
- 保有期間: 最低でも1年以上の保有を許容できること。
- 資金管理: 決算直後の急落に備え、資金の全額を投入せず、「3回に分けて買う(今回は打診買い)」規律を守れること。
ベア・ケース(撤退ライン / Stop Loss)
以下の事象が発生した場合、投資仮説が崩れるため、即座に損切り(Sell)を検討してください。
- 株価: 終値で3,300円(長期移動平均線の主要サポート)を明確に割り込んだ場合。
- ファンダメンタルズ: 原油先物(WTI)が60ドルを恒久的に割り込み、かつ経営陣が「減配」を示唆した場合。
アクションプラン
2026年2月12日の決算に向けた具体的な行動指針です。
| タイミング | アクション | 狙い |
|---|---|---|
| 決算発表前 (本日〜明日) |
保有資金の30%をエントリー | ノーポジションのリスク(決算で爆上がりして買えなくなるリスク)を回避する。 |
| 決算直後 (2/12 15:30以降) |
ガイダンスを確認 | 自社株買いの有無、今期純利益予想を確認する。 |
| 株価急落時 | 残り70%で押し目買い | 保守的なガイダンスで売られた場合、すかさず拾う。 |
NotebookLM活用:決算短信分析プロンプト
決算発表後、GoogleのNotebookLM等にPDFを読み込ませ、以下のプロンプトで分析させてください。これにより機関投資家並みのスピードで要点を把握できます。
あなたは熟練の証券アナリストです。アップロードしたINPEXの決算短信と説明資料に基づき、以下の点を簡潔にレポートしてください。 1. 【還元姿勢】新たな自社株買いの有無と、その規模(発行済み株式数に対する割合)。 2. 【ガイダンス】2026年12月期の純利益予想は、前年実績と比較して増益か減益か?その主因は価格要因か数量要因か? 3. 【前提条件】今期予想の前提となっているブレント原油価格と為替レート(USD/JPY)はいくらか?(市場実勢より保守的か?)
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記事中のデータ(株価、指標等)は執筆時点(2026年2月10日)のものです。投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。

