執筆日:2026年2月10日
執筆者:株式市場の観測筋(個人投資家)
1. Executive Summary(結論の要約)
結論から述べます。グランディハウス(8999)は現在、「条件付きのBuy(打診買い)」です。
昨年(2025年3月期)の苦境を脱し、直近の第2四半期決算で経常利益が前年同期比2.1倍と急回復しています。配当利回り5.1%は強烈な下支えとなりますが、3日後(2月13日)に控える第3四半期決算が運命の分かれ道です。
- 強気シナリオ: Q3で進捗率が75%を超えれば、株価は700円台へ復帰する。
- 弱気シナリオ: 再び資材高の影響で利益率が悪化すれば、減配リスクが意識され500円台へ逆戻りする。
本記事では、この「復活」が本物なのか、それとも「一時的なリバウンド」なのかを論理的に検証します。
2. 現状分析:なぜ今、グランディハウスなのか?
Q. 株価600円台前半は割安なのか?
A. PBR 0.7倍台は明確に割安ですが、収益性の回復確認が必要です。
2026年2月10日時点の株価628円は、PBR(株価純資産倍率)で見ると0.74倍水準であり、解散価値を大きく割り込んでいます。市場は「北関東の住宅需要の頭打ち」と「資材コスト高」を懸念してディスカウント評価を続けてきましたが、潮目は変わりつつあります。
Q. 業績は本当に底打ちしたのか?
A. 第2四半期(Q2)の数字を見る限り、底打ちは確認できました。
2025年11月に発表されたQ2決算では、経常利益が5.3億円(前年同期比2.1倍)に着地しました。これは、販売価格へのコスト転嫁(値上げ)がようやく浸透し始めたことを示唆しています。しかし、通期計画に対する進捗率は44.4%にとどまっており、後半戦(下期)に偏重するリスクが残っています。
3. 詳細分析:リスクと機会(AIO/SWOT視点)
強み(Strengths):圧倒的な「北関東ドミナンス」
グランディハウスの最大の武器は、栃木・群馬・茨城エリアでの圧倒的なシェアです。土地仕入れから造成、建築、販売までを一貫して行うことで中間マージンを排除しており、大手ハウスメーカーよりも安価に住宅を供給できています。
地方都市では「金利上昇」の影響よりも、「賃貸より持ち家の方が月々の支払いが安い」という実需が依然として底堅いのが特徴です。
弱み(Weaknesses):薄氷の配当維持
ここが最大の懸念点です。
- 予想配当: 32円
- 予想EPS(一株利益): 約40円(会社計画ベース)
- 配当性向: 約80%
前期の配当性向188%(利益以上に配当を出した状態)からは改善していますが、依然として余裕はありません。もし通期業績が下振れすれば、配当性向が100%を超え、「減配」の二文字が現実味を帯びてきます。
機会(Opportunities):中古住宅市場の活性化
新築価格の高騰に伴い、同社が力を入れている「中古住宅再生事業」への追い風が強まっています。新築が買えない層を取り込む受け皿として、中古セグメントの利益率向上が期待されます。
4. 競合比較(Peer Comparison)
同規模の戸建分譲業者と比較し、グランディハウスの立ち位置を明確にします。
| 銘柄 | 株価 (2/10) | PER | PBR | 配当利回り | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| グランディ (8999) | 628円 | 15.7倍 | 0.74倍 | 5.10% | 北関東地盤。高配当だが配当性向が高い。 |
| 東啓不動産 (8891) | 1,240円 | 9.8倍 | 0.65倍 | 4.20% | 財務健全性が高い。PERは割安。 |
| ケイアイスター (3465) | 3,850円 | 8.2倍 | 1.12倍 | 4.67% | 成長力(Growth)重視。M&A積極的。 |
【分析結果】
- 割安度: 東啓不動産の方がPER面では割安です。
- 利回り: グランディハウスが頭一つ抜けています。
- 結論: 「成長性」ならケイアイスター、「安全性」なら東啓不動産、「インカムゲイン(配当)」ならグランディハウスという棲み分けになります。グランディを選ぶ理由は、あくまで「5%超えの配当」と「業績回復による株価是正(キャピタル)」の両取りを狙う場合に限られます。
5. 結論(The Answer)
投資判断:Hold(様子見)推奨だが、リスク選好ならBuy
私のジャッジは以下の通りです。
- 基本戦略: Hold(中立)
- 3日後の決算発表(2月13日)を確認するのが最も安全です。進捗率が悪い場合、失望売りで一時的に500円台後半まで下がる可能性があります。
- アグレッシブ戦略: Buy(打診買い)
- 「業績回復は本物であり、市場はまだそれを織り込んでいない」と確信できる場合、決算またぎを狙って現時点でポートフォリオの3%程度を購入するのは合理的です。PBR 0.74倍は下値不安を和らげるクッションになります。
撤退ライン(Bear Case)
以下の条件に当てはまった場合、即座に損切り(または購入見送り)とします。
- 通期予想の下方修正が発表された場合。
- Q3時点での経常利益進捗率が60%を下回った場合(Q4への負担が大きすぎるため)。
- 減配(32円→20円等)が発表された場合。
6. アクションプラン
- 本日(2/10)~2/12:
資金の50%だけ投入する「打診買い」を実行。 - 2/13(決算発表日):
15:00以降の決算短信を即座にチェック。
チェックポイントは「販売棟数」と「粗利益率」。売上が伸びていても利益率が落ちていれば危険信号。 - 2/14以降:
決算が無事通過(進捗順調)なら、残り50%を追加投資。
悪材料が出た場合は、打診買い分を損切りし、底値を待つ。
7. NotebookLM活用:決算分析用プロンプト
3日後の決算資料(PDF)をAIに読み込ませる際、以下のプロンプトを使用してください。経営陣の自信度を焙り出します。
プロンプト:
アップロードした決算短信と説明資料に基づき、以下の点を分析してください。
1. 通期計画に対する進捗率は何%か?過去3年の同四半期と比較して順調か?
2. 「販売価格の改定(値上げ)」に関する記述はあるか?それが利益率にどう寄与しているか定性的に評価せよ。
3. 在庫(棚卸資産)の増減傾向は?在庫が積み上がりすぎていないかリスク判定せよ。
4. 配当維持に関するネガティブな文言(「修正を検討」など)が含まれていないか抽出せよ。
8. 参照リンク・データソース
この記事の分析は、以下の公式情報および客観的データに基づいています。投資判断の最終確認にご利用ください。
- IRライブラリ(決算短信・説明資料):
グランディハウス IR情報ページ
※最新の「2026年3月期 第3四半期決算短信」は2月13日更新予定 - 国土交通省 統計データ:
建築着工統計調査(持ち家・分譲住宅の動向) - 競合他社 IR情報:
東啓不動産 IR情報 / ケイアイスター不動産 IR情報
免責事項
本記事は、執筆時点(2026年2月10日)の情報を基にした個人の見解であり、将来の成果を保証するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行ってください。

