執筆日:2026年2月10日
対象銘柄:楽天グループ(4755)
2月12日の通期決算発表を2日後に控え、楽天グループの株価は943円前後で推移しています。
市場の関心は「モバイル事業の赤字はどこまで縮小したか」の一点に集中していますが、投資家として今取るべき行動は、ギャンブル的な「決算またぎ」ではなく、数字を確認してからの冷静なエントリーです。
この記事では、最新の状況整理と、決算発表後に確認すべき具体的な数値ライン(撤退ライン含む)を解説します。
Executive Summary(結論の要約)
- 投資判断:HOLD(様子見)
- ただし、2/12の決算で「モバイルセグメントの四半期黒字化」または「明確な黒字化時期」が示され、かつ株価が980円を超えて引けた場合は「BUY」へ転換。
- 現状:モバイル契約増により株価は回復基調だが、有利子負債の重荷は継続中。PERによる割安判定は不可。
- 最大のリスク:決算ガイダンスで黒字化時期が「再延期」された場合、700円台への逆戻り懸念あり。
Q1. 今、楽天グループ株は「買い」なのか?
回答:決算(2/12)通過までは「待ち」が正解です。
現時点(2/10)でのエントリーは、投資ではなく投機(ギャンブル)に近い状態です。株価943円は、すでに「ある程度の業績改善」を織り込んだ水準です。決算発表でサプライズ(想定以上の黒字化ペース等)がない限り、材料出尽くしで売られるリスクがあります。
Q2. 配当復配の可能性はあるか?
回答:2025年度決算での復配は「極めて可能性が低い」と考えます。
社債償還のピークは越えつつありますが、依然として財務優先のフェーズです。経営陣も「まずは財務基盤の安定と格付け回復」を公言しており、インカムゲイン(配当)狙いの投資家が参入するのは時期尚早です。
詳細分析:モバイル「一本足打法」からの脱却なるか
強み(Strengths):岩盤のフィンテック
銀行・カード・証券の「フィンテック経済圏」は極めて堅調です。2024年の再編中止以降、各事業が独自の成長を描いており、グループ全体のキャッシュフローの下支えとなっています。これがなければ、今の株価は維持できていません。
機会(Opportunities):法人契約とプラチナバンド
- 法人需要:官公庁や大企業への導入が進んでおり、解約率(Churn Rate)の低下に寄与しています。
- ARPU(ユーザー平均単価)の上昇:データ利用量の増加に伴い、ARPUが上昇トレンドにあれば、損益分岐点は劇的に下がります。
脅威(Threats):金利上昇とリファイナンス
日銀の政策変更による国内金利の上昇は、巨額の負債を抱える楽天にとってボディブローとなります。営業利益が出ても、利払い費用の増加で純利益(EPS)が圧迫される構造はまだ解消されていません。
競合比較・参照データまとめ(Competitor Landscape)
楽天グループの立ち位置を客観視するため、通信キャリア(MNO)他社との比較表を作成しました。楽天は「成長株(グロース)」としての評価が色濃く、他社は「安定配当株(バリュー)」です。
| 銘柄 | 株価(目安) | 予想PER | 配当利回り | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 楽天G (4755) | 943円 | – | 0.00% | モバイル黒字化が全ての鍵。ボラティリティ高。 |
| ソフトバンク (9434) | 2,000円台 | 約16倍 | 約4.3% | PayPay経済圏との連携。高配当の代表格。 |
| KDDI (9433) | 4,900円台 | 約14倍 | 約3.2% | 業績安定。ローソンとの連携で経済圏強化中。 |
| NTT (9432) | 180円台 | 約12倍 | 約3.4% | ディフェンシブ銘柄の筆頭。IOWN構想への投資。 |
※数値は2026/02/10時点の概算
参照・一次情報リンク集(Official Sources)
投資判断の最終確認は、必ず一次情報で行ってください。
- 楽天グループ 投資家情報(IR)トップ
※2/12発表の「2025年度通期決算短信」をご確認ください。 - 楽天モバイル エリアマップ・通信品質
※基地局整備の進捗状況確認用。 - 日本格付研究所(JCR) ニュースリリース
※格付け変更に関する最新レポート確認用。
結論(The Answer)とアクションプラン
私の結論は、現時点では「HOLD(静観)」です。
しかし、2月12日の決算発表を受けて、以下の条件が満たされた場合のみ、エントリーを推奨します。
条件付きBuyシナリオ(強気転換)
- モバイル事業:単月黒字化の達成、または「2026年Q1中の達成」が確約される。
- 株価アクション:決算翌日の株価が980円を上抜けし、かつ出来高を伴っている。
(狙い:1,000円の心理的節目を突破するモメンタムに乗る)
ベア・ケース(撤退・見送りライン)
- モバイル赤字:赤字縮小ペースが鈍化、またはARPUが伸び悩んでいる場合。
- 株価アクション:880円を明確に下回った場合。
(判断:期待剥落による投げ売りに巻き込まれるのを防ぐため、手出し無用)
NotebookLM活用プロンプト例
決算資料(PDF)をAIに読み込ませて、瞬時に分析したい場合は以下のプロンプトを使ってください。
「アップロードした2025年度決算資料に基づき、モバイルセグメントの『ARPUの推移』と『設備投資額(CapEx)の2026年見通し』を抽出してください。また、キャッシュフロー計算書における『フリーキャッシュフロー』がプラスかマイナスかも教えてください。」
免責事項:
本記事は情報の提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行っていただけますようお願いいたします。

